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イギリス近代史講義

川北稔著 講談社現代新書

ウォーラースティンの世界システム論の研究者がイギリスの近代史について述べている。

産業革命がなぜイギリスで起きたのかについて、特に興味を持って読んだ。イギリスの植民地となったインドの綿製品の急激な市場拡大があり、その輸入品を国産化する為に工場での大量生産が生み出されたとの事。又、この為の資金として、奴隷貿易での利益の転用、シティーからの投資、毛織物業者の転身による投資等の実例は見いだせないという。昔学んだ(1960年代)、歴史とはかなり異なる。

鉄についても、森林の減少により、輸入が増大して停滞していた生産が、17世紀後半の需要の増大に伴い、様々な改良を生み、大量生産を可能にしていったという。

という事は、産業革命の第一ステップとしての、家内工業から工場大量生産への移行は、需要に応じた生産技術を発明、改善により可能に出来ると考える思考と社会システムがイギリスにあった事になる。

上記の産業革命に続く、鉄道の敷設では、地方のジェントリーが大きな役割を担ったと述べられている。

植民地の拡大に伴い、従来とは規模が異なる大きさの市場が登場。これに見合った大量生産が利益の巨大化を生み、産業革命の推進力になったという事でしょうか?