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ポンヌフ パリ

サンジェルマン方面から歩くと、シテ島に一番最初にかかっている橋。所々に円形の張り出しがある、白いシンプルなデザインで、クルーズ船の発着所になっている。船に乗ると、欄干に異形の顔面が装飾として無数に取り付けられているのが見られ、景観に配慮したパリらしい橋です。

橋の名前はポン(橋)ヌフ(新しい)だが、現在パリでセーヌ川に掛けられている中では一番古く、1606年というから、日本では江戸時代が始まる頃になります。橋を建造したのは、アンリ4世で、太陽王ルイ14世の祖父。この王は、ルーブル宮殿の大画廊、パレロワイヤル等、芸術的ファザードの建築物を残しています。

ポンヌフ以前のパリの橋は、両側に商店が並ぶ、フィレンツェのベッキオ橋の様な構造でした。とはいうものの、橋の両側は結構な幅の歩道なので、19世紀あたりまでは露天商が店を出していて、これを撤去して移転させた名残が、セーヌ川沿いの、雑多な土産露店だそうです。

ちなみにこの王の2人目の奥さんは当時の先進都市フィレンツェのメジチ家出身。この奥さんも、見栄えのするものが好きだった様で、フィレンツェのビッティ宮殿を模したリュクサンブール宮殿を作ってます。又ルーベンスに何枚も自分の絵を描かせており、ルーブルに展示されている。橋の中間にある、アンリ4世の騎馬像も、王の死後フィレンツェに奥さんが発注したもので、パリで最初のブロンズ騎馬像。当時は、フランスでは作れなかったそうです。