社会学者の橋本大三郎氏の宗教入門書。
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、仏教、儒教等、現在に影響を与えている宗教の入門書を著して来た著者が、各宗教の死に対する考え方を踏まえ、一神教、インド、中国、日本といった地域別社会の死に対する考え方をコンパクトにまとめてある。ただ、本書は、社会学的な啓蒙書というより、死を入り口として宗教の考え方を思考に取り入れることを薦めている。日本では仏教が葬式活動そのものになっているので、死から宗教に入るのは解りやすいかもしれない。ただ、宗教は現在生きている人間がいかに生きるかを提示するものと思うので、死後の方向からの見方で宗教の門をたたくのは方向違いな気がするのだが・・・。